疲れを忘れられる癒やしの ネットフリックスオリジナルドラマシリーズ 3 選

「今日はもう頭を空っぽにしたい…」「誰とも喋らず、ただ布団に潜って呼吸だけしていたい…」
そんな夜って、ありますよね。仕事・家事・ニュース・SNS──一日中浴びた情報とプレッシャーで心がチクチク痛むとき、私はまず部屋の灯りを落としてノートパソコンを開きます。そして Netflix の検索窓に “やさしい” と打ち込み、心がふっと軽くなる物語を探すのです。
映画ほど集中力はいらない、でも 5 分のショート動画では満たされない。 そんな隙間にぴったりハマるのが “30〜50 分で 1 エピソード完結” のドラマシリーズ。物語の世界に深く潜れるのに、眠くなったらすぐ止められる──いわば “心の半身浴” のようなリラックス効果があります。
余談ですが、ふかふか毛布を肩にかけて、ホットココアをひと口──心をゆるめる夜の旅へすぐ行きたいですよね。心も体もリラックスしてすぐに自分だけの時間を贅沢に楽しみたい。そんな方は紙パックココアなら、マグカップに移し替えてレンチンですぐ出来上がるので重宝しますよ。もちろん冷やしても最高です。
3. Heartstopper/ハートストッパー
作品データ
- 製作国:イギリス
- 初配信:2022 年 4 月(S1)/2023 年 8 月(S2)
- 尺・話数:全 16 話・1 話 約 30 分
- 監督:ユーロス・リン
- 脚本・原作:アリス・オズマン(同名 Web 漫画)
- 出演:キット・コナー、ジョー・ロック ほか
- ジャンル:青春ロマンス/LGBTQ+
あらすじ
全寮制高校で偶然隣の席になったチャーリーとニック。雨の日に相合傘をしたり、授業中にメモを回したり──当たり前の毎日に紛れこむ “小さなドキドキ” が、二人の日常を虹色に塗り替えていきます。
しかし、チャーリーはゲイを公表しているがゆえの不安を抱え、ニックは「自分は何者なのか」を知る戸惑いに揺れ動く。友情とも恋とも言い切れない距離。やがてその境界線を越える瞬間がやって来るのですが…。
『“好き”の芽吹きをもう一度』
たった 30 分で世界が柔らかく見える魔法。 オープニングのギターリフが鳴った瞬間、画面の彩度がふんわり上がり、こちらの心拍数はすっと落ち着きます。見どころは何と言っても “静寂を映す演出”。
たとえば教室の午後、屋外の風の音、図書館のページをめくる音──台詞がなくても ハートストッパー は “誰かを好きになる鼓動” を映像と効果音で完璧に伝えてくれます。
雪が降る遊園地で二人が観覧車に乗る直前のシーン。吐く息が白く、手袋越しの指先がそっと触れ合う。その一瞬のために “10 代の頃に置き忘れたときめき” が一気に蘇り、涙がにじみました。
「自分にもこんな透明な時間があったな」と思い出させてくれたのです。LGBTQ+ 作品である前に、“恋が世界を鮮やかにする” という普遍的テーマが真ん中にあるので、年代も属性も超えて共感できるヒーリングドラマと言えます。
こんな夜に再生:
・緊張続きで “胸キュン欠乏” を感じる
・新しい恋に一歩踏み出す勇気がほしい
・SNS 的な毒をリセットしたい
2.Queer Eye/クィア・アイ
作品データ
- 製作国:アメリカ
- 初配信:2018 年 2 月(リブート版)
- シーズン:8 /1 話 約 50 分
- 企画:デヴィッド・コリンズ
- 出演 (Fab 5):ジョナサン(美容)/タン(ファッション)/カラモ(カルチャー)/ボビー(インテリア)/アントニ(フード)
- ジャンル:リアリティ/自己変革
- 栄誉:エミー賞 構成リアリティ部門 5 年連続
番組概要
コンプレックスの渦で “自分らしさ” を見失った依頼人を、5 つの専門分野でトータルサポート。クローゼットからリビング、さらにはメンタルまで「今日から新しい自分」をスタートできるよう導く──それが “ファブ5” のお仕事です。
『自己肯定感ブースター』
泣いて笑って心がフワッと軽くなる 50 分。 視聴前にティッシュ必須なのは、依頼人が抱える “長年の自己否定” を自覚するシーンでこちらの涙腺が崩壊するから。けれど同時に、ファブ5 が “その人が既に持つ輝き” を掘り当てていく過程が爽快で、涙が自然と笑顔に変わるんです。
「盲目のキャンプ指導者ケニー」の回で、ジョナサンがケニーの髪に手を通しながら「触れてわかる、あなたはハンサム」と伝える瞬間。視覚に頼れない人への“言葉とタッチの美容室” が、外見だけでなく心に深く作用していると感じました。番組を観終えると「私も自分を大事にしよう」と自然に思える──まさに“自己肯定感の栄養ドリンク”。
こんな夜に再生:
・鏡を見るのが憂うつなとき
・部屋も心もゴチャついていると感じたとき
・涙活しながら前向きになりたいとき
1.Anne with an “E”/アンという名の少女
作品データ
- 製作国:カナダ
- 配信:2017‑2019 年/3 シーズン・27 話/1 話 約 44 分
- 脚本・開発:モイラ・ウォリー=ベケット
- 監督:ニキ・カーロ、アマンダ・タッピング ほか
- 原作:L. M. モンゴメリ『赤毛のアン』
- 出演:エイミーベス・マクナルティ ほか
- ジャンル:ヒューマンドラマ/成長物語
あらすじ
1880 年代、プリンスエドワード島の美しい田園。養子先を転々としてきた想像力豊かな孤児アンは、間違いからカスバート兄妹に迎えられる。周囲の偏見と好奇心に翻弄されながらも、アンのユニークな視点と言葉が閉ざされた心を少しずつ開いていく。
『想像力は翼になる』
映像を“吸い込む”だけでヒーリング効果。 陽光が揺れる木漏れ日、頬を撫でる潮風、霜柱を踏むザクザク音──五感を刺激するカメラワークが、視聴者をプリンスエドワード島へワープさせます。そして物語の真髄はアンの “マイナスをプラスに変換する語彙力”。
黒人女性メリーと暖炉前で語り合うシーンを思い出してください。アンが “想像力は誰にも奪えない財産” と声を震わせながら伝える瞬間、画面越しに炎の温度と二人の鼓動がシンクロし、涙がじわり。差別や女性の権利など重いテーマを 説教ではなく“物語の暖かさ” で包む脚本の巧みさに唸ります。観終えると、日常の小さな景色をもっと愛おしく感じられ、深呼吸するたびに胸が軽くなる─そんな余韻が長く続く名作です。
こんな夜に再生:
・自然描写で目も心も休ませたい
・自己肯定感が底を打ったとき
・現代テーマを優しい物語で味わいたい