忙しい社会人のための効率的勉強法

今回は、私がこれまでに読んだ10冊の勉強本のエッセンスをぎゅっとまとめてご紹介します。ここでは社会人の方を念頭に、実務や資格取得など、キャリアアップのための勉強に取り組むときに役立つ考え方や手法をお伝えします。
忙しい中で効率良く知識を身につけるにはどうしたらいいのか、やる気が続かないときはどうすればいいのか――そんな悩みを抱えている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ロードマップを描く:忙しくても続けられる計画づくり
できる人をマネしてロードマップを作る
社会人になってから学び直しをしたい、資格試験を目指したいと考えたときに、「何から始めればいいんだろう……」と手が止まってしまうことはありませんか? そんなときは、まず“できる人”の学習方法を参考にしてみるのが近道です。
たとえば同僚や先輩、あるいはネットで活躍しているプロフェッショナルがどんな勉強法を実践しているのかを調べ、使っている教材や進め方をざっくり真似してみると、ロードマップが見えてきます。
- ロードマップ作りのポイント
- ゴールを具体的に設定する(例:資格試験なら「〇ヶ月後に合格レベルへ」など)
- ステップを細かく区切る(いつまでにテキストをどこまで読むか、問題集は何ページ進めるかなど)
- 定期的に進捗をチェックする(1週間ごと、1か月ごとに実績を振り返り、修正する)
- ゴールを具体的に設定する(例:資格試験なら「〇ヶ月後に合格レベルへ」など)
ロードマップがあれば、忙しい日々の合間でも「今日はこの範囲だけ」「週末はここまで仕上げる」と具体的に予定が立てやすくなります。

あの……ロードマップのような計画を立てるのは好きなのですが、どうしても途中で「このプロセスをもっと丁寧にやりたい」という気持ちが強くなって、先に進めなくなるんです。時間がかかってしまうことは気にしないほうがいいのでしょうか……?

それは理想に対する強いこだわりがあるからこそですね。大切なのは、納得できるプロセスを踏む一方で、最終的なスケジュールを見失わないことです。部分的にこだわるところと、割り切って先へ進むところを区切ってみてはいかがでしょうか。たとえば「この週はここまでは細かく調べるけれど、来週以降はまず全体を終わらせよう」というように、優先順位を決めると良いですよ。
変化がない場合は勉強場所を変える
毎日自宅や会社の休憩スペースだけで勉強していると、どうしてもマンネリ化してしまうことがあります。そんなときは、カフェや図書館、あるいはコワーキングスペースなどを試してみましょう。
空気や雰囲気が変わるだけで気分転換になり、思わぬアイデアや集中力を引き出してくれるかもしれません。
記憶に残すテクニック:刺激とリラックスのバランス
読む・書く・聞くの複合アプローチ
社会人が勉強するとき、仕事や家事・育児との両立で疲れがたまりやすいですよね。そんな状態だと、ひたすら同じテキストを読んでいるだけでは集中力が続きません。
そこで、読む・書く・聞くなど、さまざまな刺激を与えて飽きにくい学習環境を整えましょう。
一方で、強いストレスは記憶の大敵です。好きな音楽を短い休憩時間に聴いてみたり、興味のある動画を少しだけ観てリフレッシュしたりする工夫も取り入れてみてください。

結果を最速で出したいのですが、刺激やリラックスを考えていたら、かえって時間を食いそうな気がしてしまいます。どうやれば効率を落とさずにストレスを抑えられるんでしょうか?

効率優先で突き進むと、確かに短期的には進捗が速いかもしれません。しかし、疲労やストレスがたまると後で学習効率がガクッと下がることもあります。短い休憩を挟んで脳をリセットすると、その後の集中力が上がるので、結果としてトータルの学習速度は向上しますよ。
- 具体的な例
- テキストを黙読したあと誰かに勉強したことを聞いてもらう
- ノートにまとめた内容をスマホで録音し、移動時間に聴く
- 1時間勉強したら5分休憩して、お気に入りのカフェ写真や動物動画でリフレッシュ
- テキストを黙読したあと誰かに勉強したことを聞いてもらう
心や脳が息苦しくならないよう、小さな休憩をはさみながら進めることが、知識定着への近道です。
分散して定期的に復習する
社会人はどうしてもまとまった勉強時間を取りづらいかもしれませんが、逆にこまめに復習を挟む“分散学習”を徹底すれば、むしろ効率が良くなります。
少しずつ繰り返すことで知識が脳に染み込み、忙しい合間でも力がついていくのを感じられるでしょう。
- 忘却を防ぐポイント
- テキストは1回読むだけではなく、数日後にもう一度読み返す
- 解けた問題でも日をあけてもう一度解いてみる
- タイミングをカレンダーやアプリで管理する
- テキストは1回読むだけではなく、数日後にもう一度読み返す
ちょっと手間に感じるかもしれませんが、この習慣が合格やスキルアップへの確実な一歩になります。
インプットの質を高める:教材選びと使いこなし方
参考書を買っただけで満足しない
新しい参考書やセミナー動画を購入すると、「やる気スイッチ入った!」と嬉しくなりますよね。でも、そのまま満足して本棚に置きっぱなし……という経験はありませんか?
大切なのは実際に“使い込む”ことです。ページにラインを引いたり、付箋を貼ったり、気づいたことをメモしたりして、自分専用の学習ツールに変えてしまいましょう。

あの……参考書を買ったら、その本がどういう構造で成り立っているのか気になってしまって。目次や章立てをじっくり分析しているうちに、読むのが遅くなってしまうんです。それでも大丈夫でしょうか?

章立てや構造に注目するのは、とても良いアプローチです。全体像をしっかり把握できるので、その後の学習がスムーズになります。ただ、あまりに時間をかけすぎると先に進みづらくなるので、最初にざっと目を通して概要をつかみ、細部は本格的に読むときに少しずつ確認していくのがおすすめですよ。
- 注意ポイント
- いきなり多くの教材に手を出さない
- 自分に合わないと思ったら次の一冊へ切り替える
- とにかく目や手を動かして繰り返し活用する
- いきなり多くの教材に手を出さない
漫画やイラスト解説でとっかかりをやさしく
文字ばかりの資料を読むと「うっ……眠い」と感じてしまう人もいるかもしれません。ビジネススキルや歴史、法律の入門書などは、最近では漫画やイラスト解説が充実しています。
固い文章だけで挫折するより、まずはざっくりと全体像を知るために漫画を使うのも立派な戦略です。
アウトプットの重要性:解く・試す・説明する
まずは間違いを気にせず問題を解く
社会人が忙しい合間に勉強する場合、インプットだけに時間をかけすぎると全体のペースが停滞しがちです。そこで、最初はアウトプット(例:問題を解く、模擬テストを受けるなど)から始めてみましょう。
最初は間違いが多くても、一旦は正解の解説をざっと読んで「へぇ、こういうことか」と大まかに理解するだけでOK。細かい分析は後回しにして、まず全貌をつかむのが大切です。

ねえねえ! 最初から間違いばっかりだとちょっと恥ずかしいし、なんだかやる気がしぼんじゃうんだけど……どう乗り越えたらいいの?

最初の段階でたくさん間違うのは、ごく自然なことですよ。むしろ最初に弱点をたくさん見つけておけば、後から伸びしろが見えてきて気分が前向きになるものです。間違いを発見すること自体が成長の始まりだ、と考えてみてくださいね。
- アウトプットのポイント
- まずは同じ問題を何回も解く
- 大まかな思考プロセスをつかむ
- 7割正解できるまでは細かい分析に時間をかけすぎない
- まずは同じ問題を何回も解く
7割に到達したら分析で弱点を潰す
だいたい7割の問題が解けるようになってきたら、今度はしっかり分析フェーズに移行します。間違えた問題をノートに書き出し、なぜつまずいたのかを言語化していきましょう。ここで初めて、自分の弱点や理解不足が浮き彫りになるので、解説を読み込みながら「こう考えればよかったのか」と頭の中を整理します。
- 分析ステップ
- 間違った問題をノートに抜き出す
- 正解との違いや知識不足を明確にする
- 自分の言葉で考え方を要約して二度と同じミスをしないよう対策する
- 間違った問題をノートに抜き出す
モチベーションを保つテクニック
誰かに教えるつもりで学習する
社会人同士で学ぶ場合、同じ試験を目指す仲間や、職場の後輩に教えてあげるチャンスがあるかもしれません。人に教えようとすると、自然と自分の理解が整理され、知識がさらに深まります。
「あ、ここ意外と自分も曖昧だったんだな」と気づくきっかけにもなるので、積極的にアウトプットの場を作ってみましょう。

もしもし、私ってちょっとマイペースで、教える前にボーッとしちゃうことがあるんです。そんな私でも誰かに教えたりできるんでしょうか?

もちろん大丈夫ですよ。マイペースな方は、逆に相手にわかりやすく伝えようと丁寧に言葉を選ぶ傾向があります。教える前に少しだけ準備をする時間をとると、よりスムーズに説明できるようになると思います。
友人や同僚に宣言してフォローしてもらう
「今度の試験で合格してみせる」「この資格を取って昇進を目指す」という目標を周りの人に宣言しておくと、逃げられない状態を作れます。仕事が忙しくてくじけそうになったときも、「進んでる?」と声をかけてもらえると、踏ん張れることが多いものです。
もし目標を達成できなかったときは素直に謝って、また新たな気持ちでトライしましょう。その悔しさが次のやる気につながります。
一時的にリラックスする
日中は仕事に追われ、夜や週末に勉強……というサイクルだと、心身が疲弊しやすいです。そんなときこそ、あえて短いリラックスタイムを設けましょう。
好きな音楽を聴く、入浴でゆっくり体を温める、少しだけ気分の上がる映像を観るなど、やり方は何でもOK。好きなものを壁に貼って見るのも効果があるそうです。
「また勉強再開しようかな」と思える程度にリセットしてあげると、その後の集中力が格段に上がります。
文系・理系で変わる勉強スタイル
文系は何回も「読む」
資格試験や新しいビジネススキルの書籍は文章量が多い場合がほとんどです。とにかく何回も読み返すことで、全体の流れをつかみ、キーワードが自然に頭に刻まれていきます。「もう飽きた」と感じるころに、実は大切なポイントがすっと定着していることに気づくはずです。
理系は何回も「解く」
もしプログラミングやデータ解析、技術系の資格勉強に取り組むなら、解法や公式を“実際に使いこなせる”段階まで回数をこなす必要があります。頭では理解していても、いざ手を動かすとスムーズにいかないことはよくあります。問題を解いては復習し、もう一度解き直す――このサイクルを積み上げることで、本当に使えるスキルが身につくのです。
キャリアアップを実現:目標に向かって継続しよう
社会人の学びは、限られた時間の中で結果を求められがち。
しかし、しっかりロードマップを作り、刺激とリラックスを両立させ、アウトプットを重ねれば、忙しい日々でも着実に力をつけられます。
- 計画をざっくりでもいいので立てる
- 学習環境を変えてマンネリを防ぐ
- 間違いを恐れずアウトプットで弱点を洗い出す
- 仲間や周りの人に宣言し、モチベーションを保つ
文系なら“繰り返し読む”、理系なら“繰り返し解く”という意識を持ちつつ、自分に合ったスタイルにアレンジしてください。
最初は手探りでも続けるうちにペースがつかめ、ゴールへの道筋が明確になっていくはず。勉強を通じて新たなスキルを身につけ、キャリアアップを実現していきましょう。
あなたの学習が、より充実したキャリアへの一歩となるよう応援しています!