普通のデスクトップPCをゲーミングPC化する方法

在宅ワーク用に買ったデスクトップ PC。「メールと Excel だけ動けばいいや」と妥協した結果、Steam の大型セールで神ゲーが 500 円になっても fps が 20 しか出ない――そんな悔しい思いをしたことはありませんか? 私も “Apex は 0 円なのに GPU が 0 枚” 状態を何年も放置し、モニタの前でため息ばかりついていました。
ところが週末 1 日・パーツ代 5万円弱で改造してみたら、
- Apex 20 fps → 100 fps(144 Hz モニタが泣かない)
- Fortnite → 100 fps
- HDD 1 分ロード → NVMe 10 秒
と世界が激変。必要だったのは GPU・電源・メモリ・SSD の 4 点セットだけでした。本記事は当時の“心のメモ帳”をベースに、費用シミュレーター → パーツ選定 → 取り付け → BIOS/OS 調整 → ベンチマーク → トラブル Q&A → 改造 vs 新品比較 をフルコースで解説します。
読めばわかる 4 つのこと
- 費用・時間・難易度 をリアルに把握できる
- ケースを開ける → ベンチ完走まで 具体的な手順 がわかる
- ありがちな 失敗例とリカバリ を事前回避できる
- 自分に合うのが DIY か新品 BTO か即決 できる
そもそも「ふつうのデスクトップ」と「ゲーミング PC」は何が違う?
項目 | 会社 PC・量販モデル | ゲーミング PC |
---|---|---|
CPU | 4〜8 コアで省電力寄り | 6〜16 コアで高クロック重視 |
GPU | 非搭載 or 内蔵グラフィック | 外付けグラフィックボード必須 |
メモリ | 8〜16 GB でシングルチャネルが多い | 16〜32 GB(8 GB×2 以上)のデュアルチャネル |
ストレージ | 256 GB~512 GB SSD(SATA) or HDD | ゲームを入れる用に 1 TB 以上の NVMe/SATA 併用 |
電源 | 300〜400 W のブロンズ級 | 550 W 以上の 80+Gold 近辺 |
冷却・ケース | ミニタワーでエアフロー最小限 | フロント吸気&リア排気+大型ヒートシンク |
つまり GPU(とそれを養う電源)・メモリ容量・高速ストレージ が不足しているのが“普通 PC”。
ゲームを快適にする 4 大アップグレード
優先度 | パーツ | 目安コスト | ポイント |
---|---|---|---|
★★★ | GPU 増設 | 3〜7 万円(中古 30xx 番台など) | 3D 処理はここ一択。「内蔵で動くか?」より「外付けなら何 fps 出るか?」が重要 |
★★☆ | 電源ユニット交換 | 8 000〜12 000 円(650 W 80+Gold) | GPU の瞬間最大消費に耐える安定電力。電源が古いままだと “突然落ち” の原因に |
★★☆ | メモリ増設 | 4 000〜7 000 円(8 GB×2) | 最新タイトルは 16 GB でもギリギリ。32 GB あれば Discord+録画も余裕 |
★☆☆ | SSD 追加 | 7 000〜1 万 2 000 円(1 TB NVMe) | 大作 1 本=100 GB 時代。“ゲーム用ドライブ” を C: とは別に用意すると快適 |
GPU 増設 ★★★
なぜ最優先? 3D 描画は GPU に 100%依存。内蔵グラは e スポーツ系でも 720p がやっと。外付けなら FHD 最高設定で 60 fps 以上が現実的。
選定ポイント
増設できるか確認:GPU はマザーボードの “PCI Express x16 スロット” に挿します
電源要件:RTX4060 なら推奨 550 W。電源が弱いと “起動→落ちる” 無限ループに。
長さと厚み:ケース側板⇔HDD ケージの隙間を計測。280 mm/2 スロット超えると干渉しがち。
冷却設計:2 ファンモデルは静音、3 ファンは冷えるが長い。
搭載作業のコツ:
先に DDU で旧ドライバ完全削除→シャットダウン→GPU 取付→再起動して新ドライバ導入。これで “Code 43” トラブルを防止。
2025年4月時点で “コスパ重視” で選ぶならこの 3 枚
項目 | ① RX 6600 8 GB<br>“最安FHD入門” | ② RTX 4060 8 GB<br>“省電力バランス” | ③ RX 7800 XT 16 GB<br>“WQHD高fpsの鉄板” |
---|---|---|---|
実売価格 | 新品 ≈ ¥40000/中古 ≈ ¥30000 | 新品 ≈ ¥60000/中古 ≈ ¥42000 | 新品 ≈ ¥84000/中古 ≈ ¥80000 |
TBP / 補助電源 | 132 W/6‑8 Pin×1 | 115 W/8 Pin×1 | 263 W/8 Pin×2 |
VRAM | 8 GB GDDR6 | 8 GB GDDR6 | 16 GB GDDR6 |
FHD 60 fps 達成率 | ★★★★☆ | ★★★★★ | ★★★★★ |
WQHD 120 fps 達成率 | ★★☆☆☆ | ★★★☆☆ | ★★★★★ |
レイトレ + アップスケール | FSR 3 (一部FG) | DLSS 3.5 + FG ◎ | FSR 3 + HYPR‑RX ◎ |
主な強み | – 3 万円台で200 fps超 (eスポーツ) | -省電力&DLSS3を取り入れて最新AAAも遊び、配信や動画編集も視野。 | – WQHD/最高設定90‑120 fps \n- 16 GBで今後の大作にも余裕 |
主な弱み | VRAM8 GB/RT性能弱め | VRAM8 GB/超高テクスチャMODは厳しい | 電源550 W+必須/ケース要余裕 |
★中古でもいい方はソフマップの公式中古専門サイトのリコレがオススメです。
電源ユニット交換 ★★☆
- 瞬間負荷に耐える土台。余裕を見て 定格 650 Wが安牌。
- ケーブル種類:
- CPU 補助 4+4 Pin/PCIe 8 Pin×2 が必須。
- 古い OEM 電源は 20+4 Pin が分離不可→マザボ挿さらないケースも。
- 取り付け前の下準備:配線写真をスマホで撮影→新電源でも同じ差し順にすれば迷わない。
メモリ増設 ★★☆
- デュアルチャネル化 で帯域 2 倍。8 GB→16 GB だけでも平均 fps が 10〜15%伸びるケース多数。
- 混在可否:同容量・同クロックが理想。異なると遅いモジュールに合わせてダウンクロックされる。
- XMP 有効化:BIOS でプロファイル読込→3200 MHz 動作を確認。未対応マザボは 2666 MHz 上限。
SSD 追加 ★☆☆
- ゲームサイズ激増:CoD:MW3 200 GB、Starfield 150 GB。500 GB では 3 本で限界。
- NVMe vs SATA:SEQ 読込 3500 MB/s 対 550 MB/s。ロード短縮だけでなくマップ切替時の “ストレージボトルネック” も解消。
- 発熱管理:ヒートシンク一体型モデル推奨。サーマルスロットでフレーム落ちを防ぐ。
順番のコツ
まず GPU & 電源をセットで考える
メモリと SSD は後からでも増設しやすい
作業ステップ(実機を“いじって”みた流れ)
・ケースを開けてスペース確認
フルハイト GPU が入るか? → × ならロープロファイルモデルを検討
電源は ATX 規格? → Dell など独自ピンの場合は変換ケーブル要チェック

※掃除前で申し訳ありません。GPUが入るかなどはネットで見て一応確認していましたが、こんなスペースに入るのかドキドキでした。
・メモリをデュアルチャネル化
空きスロットに同クロック・同容量の DDR4 8 GB×2 を追加。
BIOS で “XMP プロファイル” を有効にして 3200 MHz を認識させる。
・NVMe SSD を増設
M.2 スロットが 1 本空いていたので 500 GB を装着。資金に余裕があるなら1TBが安心です。
Steam の “ライブラリフォルダ” を新SSDに切替え、ロード時間が短縮。

・電源ユニットを交換
古い 300 W → 新品 650 W (80+BRONZE) に。
マザボの 24 Pin/8 Pin、GPU 用 8 Pin×2 を確認。

マザボのpinとGPU用のpinがしっかりあるか確認してから購入しました。80+ブロンズですが、コイル鳴きもなくあたりの電源ユニットでした。
- GPU を装着&ドライバーダウンロード
- セールで見つけたRADEON RX5700を装着。
- ドライバーダウンロード

セールをしていたのでこちらを購入しました。

完成した中身です。思ったより簡単につけれましたが、GPUを挿すときは気を抜くと壊れそうでドキドキでした。小さいケースだとGPUをつけたあと取り外すのに苦労するので、SSDを取り付けたりするときは順番に注意しましょう。
・ベンチ & 温度チェック
3DMark Time Spy
ゲーム中 GPU 70 ℃・CPU 60 ℃以内なら合格。必要ならリアファン120 mm 追加。
体感ビフォー/アフター
タイトル | 内蔵グラフィック (FPS) | 改造後 (FPS) | 体感メモ |
---|---|---|---|
Apex Legends (FHD 低) | 25 | 100 | 144 Hz モニタが泣かない |
Fortnite (FHD 高) | 30 | 100 | 建築バトルでカクつきゼロ |
“ゲーミング PC 化” を失敗させないコツ
- 電源とケースの物理寸法を必ず測る
- マザーボードの PCIe 世代チェック(古いと帯域制限)
- 中古 GPU は“グラボ焼け”を目視確認
- OS が HDD のままならクローンして SSD 化すると世界が変わる
- 最終的な総額が新品ゲーミング PC を超えないか比較する
眠っていたPCが“推しゲー専用機”へ生まれ変わるワクワク
電源ボタンを押した瞬間、タイトル画面がヌルヌル動く──そのとき胸に灯る高揚感は、子どもの頃ゲーム機の電源を入れた瞬間と同じです。 たった数万円と週末の半日で、退屈だった仕事用タワーが“趣味に全振りできる相棒”に変わる。これが PC 改造の最大の醍醐味。
・改造 (増設) が向く人
判定チェック | YES の数が多いほど “改造向き” |
ケースを開ける作業にワクワクする | ☐ |
週末に 4〜5 時間まとめて確保できる | ☐ |
既存電源が 500 W 以上 or 交換してもいい | ☐ |
eスポーツ中心で FHD144 Hz が目標 | ☐ |
多少のトラブルを“ネタ”として楽しめる | ☐ |
改造派のメリット
- 同性能 BTO より 2〜5 万円安い
- 今のパソコンを延命させて次回のパソコンで奮発できる
- 自分で仕様を決める自由度/知識が身に付く
- “数字が跳ね上がる” 達成感でモチベ爆上げ
・新品 BTO を買ったほうがいい人
判定チェック | YES が多いなら “買い替え推奨” |
工具を触りたくない/時間が全く取れない | ☐ |
既存ケースが極小・独自マザボで拡張皆無 | ☐ |
長期一括保証で “壊れたら即修理” が安心 | ☐ |
レイトレ 4K/最新 AAA を最初から快適に | ☐ |
リセール価値を保ちたい (数年後売却) | ☐ |
新品派のメリット
- 開梱 10 分でゲーム開始、時間コスト=0
- メーカー保証&サポートでトラブル対応が楽
- 最新世代 CPU/GPU を一気に手に入れられる
どちらを選んでも、最終ゴールは 「推しゲーが最高のクオリティで動く」 こと。あなたのライフスタイルと予算に合った道を選び、ゲームの世界で思い切り遊びましょう!