M.2 SSDを増設したのに認識しない?|フォーマット手順と、買う前の5つの確認
Cドライブのゲージが、今日も赤い。
ゲームを数本入れて動画を保存すれば、500GBなどあっという間です。
警告が出るたびに、思い出のデータを天秤にかけてアンインストールする日々。
M.2 SSDを1枚増設すれば、その生活は終わります。
ただ、いま買うなら知っておくべき事情もあります。SSDの価格が高騰し、定番だったCrucialが消費者向けから撤退しました。
ただし、増設には初心者が必ず引っかかる関門が3つあります。
買う前の確認ミス、極小ネジの紛失、そして「増設したのにドライブが出てこない」問題です。
この記事では、その3つを順番に潰していきます。
今つまずいている方へ
もう作業中の方は、該当する場所へ飛んでください。
- 取り付けたのにドライブが表示されない → 「認識しない、は正常です」へ
- どのSSDを買えばいいか分からない → 「SSDの選び方」へ
- 取り付け方が知りたい → 「取り付けの手順」へ
これから買う方は、このまま読み進めてください。
買う前に確認する4項目

SSDは規格が細かく分かれています。
見た目が同じでも、刺さらない・動かないことがあります。
買う前に、この4つだけ確認してください。
① M.2スロットは空いているか
マザーボードの説明書か、メーカーのサイトで型番を検索してください。
「M.2 スロット ×2」のように書かれています。
すでに全部埋まっている場合は増設できません。
② そのスロットは「NVMe」対応か
ここがいちばん間違えやすい部分です。
M.2という形の中に、NVMe接続とSATA接続の2種類があります。
形は似ていますが、中身はまったく別物です。
スロット側がNVMe対応でないと、速いSSDを買っても本来の速度が出ません。
説明書に「PCIe」「NVMe」と書かれていればOKです。
③ スロットの世代(Gen3かGen4か)
Gen4対応のSSDを、Gen3のスロットに挿しても動きます。
ただし速度はGen3の上限までしか出ません。
マザーボードがGen3なら、無理にGen4の高い製品を買う必要はありません。
④ 長さは「2280」で合っているか
M.2 SSDには2230、2242、2280などの長さがあります。
デスクトップPCで一般的なのは2280(80mm)です。
ネジ止め用の台座(スタンドオフ)の位置も、この長さに合わせて調整します。
⑤ 固定ネジと台座はあるか
見落としがちですが、M.2 SSDを留めるネジは、SSD本体には付属しないことがほとんどです。
普通はマザーボードの付属品に入っています。
ですが中古で買った場合や、以前の作業で紛失した場合、メーカー製PCで空きスロット分が用意されていない場合は、別途購入が必要になります。

あの……NVMeとSATAは、見ただけでは区別がつかないのでしょうか。
買い間違えてしまいそうで、少し不安です……。

ひびの助さんのご心配はもっともです。実際、端子の切り欠きの位置がわずかに違うだけなんです。
ただ、確実な見分け方があります。
商品名や仕様欄に「NVMe」または「PCIe Gen3/Gen4」と書かれていれば、それがNVMe接続です。
逆に「SATA」としか書かれていないものは、速度が6分の1ほどになります。
購入前にこの一語を確認するだけで、買い間違いはほぼ防げますよ。
SSDの選び方
まず、今は価格が異常な時期です
先に現実をお伝えします。
2024年から2025年前半に8,000円前後で買えていた1TBのM.2 SSDは、2026年7月時点で22,000円前後まで上がっています。
2TBに至っては40,000円前後です。
原因はAI向けの需要で、メーカーが生産能力をデータセンター向けに振り分けているためです。
そして、待てば下がるという状況ではありません。
主要メーカーの2026年分の生産能力はすでに埋まっており、新しい生産ラインが動くのは2027年以降と見られています。
必要なら今買う、というのが現実的な判断になります。
【重要】Crucialは消費者向けから撤退しました
以前この記事では Crucial P310 をおすすめしていました。
ですが状況が変わりました。
Micron社は2025年12月にCrucialブランドの消費者向け事業からの撤退を発表し、2026年2月末で出荷を終了しています。
29年続いたブランドの終了です。
現在店頭に並んでいるのは流通在庫のみで、今後は入手が難しくなっていきます。
すでにCrucial製品をお使いの方は、心配いりません。
保証とサポートは撤退後も継続されます。慌てて買い替える必要はありません。
これから買う方は、別のブランドから選んでください。
容量:今は1TBが現実的
100GBを超えるゲームが当たり前の今、理想を言えば2TBです。
ただ、1TBが約30000円、2TBが約60000円という価格差を前にすると、話が変わります。
差額の約20000円で、遊びたいゲームが何本も買えます。
まず1TBを入れて、それでも足りなくなったら追加を考える。
M.2スロットが2つあるマザーボードなら、後から1枚足すこともできます。
これは妥協ではなく、この時期における合理的な判断だと思います。
規格:Gen4が最適解
Gen3は安価ですが、今から新規で選ぶには少しもったいない。
Gen5は最速ですが、価格が高く発熱も相当なものになります。
Gen4は価格と速度のバランスがよく、ゲームでも動画編集でも困りません。
ただし前述のとおり、マザーボードがGen3ならGen3までしか出ません。そこは確認を。
中身:TLCかQLCか(意外と大事)
同じGen4でも、記憶素子の種類で性質が変わります。
TLCは書き込みに強く、耐久性も高め。価格はやや上がります。
QLCは安く大容量にできますが、大量のデータを連続で書き込むと速度が落ちます。
ゲームのインストールや保存が中心ならQLCでも十分です。
動画編集で数十GBを頻繁に書き出すなら、TLCを選んでください。
現状のおすすめ3モデル
| モデル | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| KIOXIA EXCERIA PLUS G3 | Gen4・TLC採用。国内メーカーで入手しやすい | 迷ったらこれ。ゲームにも編集にも |
| Samsung 990 EVO Plus | Gen4・最大7,250MB/s・5年保証 | 信頼性を最優先したい人 |
| WD_BLACK SN850X | Gen4・最大7,300MB/s・ゲーミング定番 | 価格より性能を取りたい人 |
迷ったら KIOXIA EXCERIA PLUS G3 をおすすめします。
TLC採用なので書き込みに強く、用途を選びません。
国内メーカーで流通も安定しているため、この時期でも手に入りやすいのが大きい。
正直、今の相場でTLCがこの価格帯に残っているのはありがたいです。
Samsungは性能と信頼性で頭ひとつ抜けていますが、値上げが検討されているとの情報もあり、価格は上がる方向です。
WD_BLACKは定番ですが、1TBでも5万円台という報告があり、今はかなり高い水準にあります。
なお、価格は週単位で動いています。
ここに書いた金額は2026年7月時点の目安なので、購入前に必ず現在の価格を確認してください。
用意する道具
作業そのものより、道具のほうが勝敗を分けます。
① 先端が磁石になった精密ドライバー(プラス0番か1番)
これがないと本当に困ります。
M.2の固定ネジは米粒の半分ほどしかありません。
磁石なしのドライバーで挑むと、指先から滑り落ちたネジがマザーボードの隙間を跳ね、ケースの底へ消えます。
床に這いつくばって10分探す羽目になります。数百円をケチらないでください。
② 薄型ヒートシンク
M.2 SSDは高速で読み書きする代償に、かなり発熱します。
放置すると自分を守るために速度を落とします(サーマルスロットリング)。
ただし厚いものはグラフィックボードと干渉するので、薄型を選んでください。
マザーボードに最初から付いている場合もあるので、先に中を確認しましょう。
③ 明るいライト
スマホのライトで十分です。M.2スロットは大抵、暗い場所にあります。
④固定ネジがない場合は、別途購入が必要です
M.2 SSD本体には、固定ネジは付いてこないのが一般的です。
通常は次のどちらかです。
マザーボードの付属品(小袋)に入っている。
メーカー製PCなら、最初からスロットに取り付けられている。
メーカー製PCでも、2つ目のスロット用のネジは用意されていないことがあります。
ネジが要らないマザーボードもあります
最近の製品には、レバーやツメで固定するタイプがあります。
この場合はネジも台座も不要で、カチッとはめるだけで済みます。
スロットを先に確認してみてください。
取り付けの手順
作業時間の目安は30分から1時間です。
1. 電源ケーブルを抜き、電源ボタンを3秒ほど長押しします。
これでマザーボードに残った電気を放電します。
そのあと金属部分に触れて、自分の静電気も逃がしてください。
2. サイドパネルを開け、M.2スロットを探します。

「M.2」と刻印されています。
グラフィックボードの真下に隠れていることが多いので、見当たらなければ覗き込んでください。
3. 必要ならグラフィックボードを外します。

補助電源ケーブルを抜き、スロット右端のロック用の爪を押し下げます。
この爪は硬いです。「カチッ」という音を確認してから、両手で水平に引き抜きます。
4. SSDを斜め30度で差し込みます。
金色の端子が吸い込まれるように入ります。ここは驚くほどスムーズです。
5. 水平に押し下げて、ネジで固定します。

ここが最大の難所です。磁石付きドライバーを使ってください。
締めすぎは禁物です。指先で軽く止まる程度で十分です。
6. ヒートシンクを貼り、グラフィックボードを戻します。
ロックがカチッとかかるのを確認してください。
7. ケースを閉じ、電源を入れます。

ネジが小さすぎて、ドライバーから落ちちゃいそうですね……。
磁石って、そんなに違うものなんですか?

くるみさん、これが驚くほど違うんです。
磁石なしの場合、ネジはドライバーの先端に乗っているだけの状態です。
少し傾けただけで滑り落ちます。
しかもM.2スロットは狭くて暗い場所にあるため、落とすと部品の隙間に入り込んで見つかりません。
数百円の差ですが、この一点だけで作業の難易度がまったく変わりますよ。
「認識しない」は、正常です

ここが、この記事でいちばん多く読まれる部分だと思います。
取り付けてPCを起動しても、エクスプローラーに新しいドライブは出てきません。
故障でもミスでもありません。全員がここを通ります。
買ったばかりのSSDは、番地の登録されていない更地のような状態です。
Windowsは「何か刺さっているけれど、用途を聞いていないので放置」という態度をとります。
これを使える状態にする作業が、初期化とフォーマットです。
手順(3分で終わります)
1.「ディスクの管理」を開きます。
スタートボタンを右クリックすると、メニューの中にあります。
2. 初期化します。
画面の下半分に、「未割り当て」と書かれた黒い帯が見つかるはずです。
これが増設したSSDです。
左側の「ディスク1」などと書かれた部分を右クリックし、「ディスクの初期化」を選びます。
形式を聞かれたら、GPTを選んでください。理由は後述します。
3. ボリュームを作成します。

黒い帯そのものを右クリックし、「新しいシンプル ボリューム」を選びます。
ウィザードが出るので、基本は「次へ」で進めて構いません。
途中でドライブ文字を聞かれたら「D」などを選びます。
名前は分かりやすいもので。
完了を押すと、黒い帯が青色に変わります。
エクスプローラーを開き直せば、新しいDドライブが誕生しています。
Cドライブの容量を根本から減らす

Dドライブができただけでは、Cドライブは赤いままです。
中身を移して、はじめて解決します。
① ユーザーフォルダを移す(効果が大きい)
「ダウンロード」「ビデオ」「ピクチャ」は、気づくと数十GBになっています。
フォルダを右クリックして「プロパティ」を開き、「場所」タブを選びます。
「移動」を押して、Dドライブ内の場所を指定してください。
これ以降、ダウンロードしたファイルや録画は自動的にDドライブへ入ります。
② ゲームの保存先をDドライブにする
Steamなら「設定」から「ストレージ」を開き、Dドライブを追加して既定に設定します。
Epic Gamesも、次回インストール時にDドライブを指定してください。
この2つだけで、Cドライブの色は目に見えて変わります。
MBRとGPT、どちらを選ぶべきか
新しく初期化するときは、GPTを選んでおけば間違いありません。
理由は次のとおりです。
MBRには、1台あたり2TBまでという容量の上限があります。
またパーティションを4つまでしか作れません。
GPTにはこの制限がないため、これから使うならGPT一択です。
すでにMBRのドライブがある場合
ここは落ち着いて読んでください。
古いドライブがMBRでも、慌てて変換する必要はありません。
容量が2TB未満のデータ用ドライブであれば、MBRのままでも実用上の問題は起きません。
そして重要な注意点があります。
MBRからGPTへ変換するには、原則としてそのドライブのデータを削除する必要があります。
つまり「なんとなく不安だから」という理由で変換すると、データを失うリスクだけを負うことになります。
変換を検討すべきなのは、次の場合だけです。
2TBを超える容量を認識させたい。
パーティションを5つ以上に分けたい。
それ以外なら、そのままで大丈夫です。
PCの動作が不安定なのは、MBRのせいではありません。

つまり、古いドライブは触らなくていいということか。
新しく入れるものだけGPTにしておけばいいんだな。

デイビットさんのまとめのとおりです。
新規のドライブはGPT、既存のドライブは条件に当てはまらない限り現状維持。
これがいちばんリスクの低い判断になります。
データを消してまで変換する価値があるのは、2TBを超える容量を使いたい場合などに限られます。
不安を理由に作業を増やさないほうが、結果的に安全ですよ。
よくある質問
Q. 増設したらCドライブのデータは消えますか。
消えません。増設は元のドライブに影響しません。
ただし作業前にバックアップを取っておくと安心です。
Q. ドライブは表示されたのに、容量が表示と違います。
1TBの製品でも、Windows上では931GB前後と表示されます。
計算方法の違いによるもので、故障ではありません。
Q. ヒートシンクは必須ですか。
必須ではありませんが、あったほうが安定します。
特にグラフィックボードの下に設置する場合は、薄型でいいので付けてください。
Q. 価格が高いので、安くなるまで待つべきですか。
待っても下がりにくい状況です。
主要メーカーの2026年分の生産能力はすでに埋まっており、供給不足は当面続くと見られています。
容量不足で困っているなら、今買うほうが結果的に損が少ない可能性が高いです。
Q. Crucialが撤退したそうですが、今持っているものは大丈夫ですか。
問題ありません。保証もサポートも継続されます。
買い替える必要はまったくないので、そのまま使い続けてください。
Q. 取り付けたのに「ディスクの管理」にも出てきません。
物理的な接続を疑ってください。
SSDが奥まで挿さっていないか、ネジで固定される前に浮いている可能性があります。
一度電源を落として、挿し直してみてください。
まとめ
M.2 SSDの増設でつまずくポイントは、3つに絞られます。
買う前は、NVMe対応か、Gen3かGen4か、長さは2280かを確認する。
作業中は、磁石付きの精密ドライバーを必ず用意する。
作業後は、認識しなくても慌てず、ディスクの管理からフォーマットする。
この3つさえ押さえておけば、大きな失敗は起きません。
価格が高い時期ではありますが、容量不足のストレスから解放される価値は小さくありません。
Cドライブの赤いゲージから解放される日は、思っているよりずっと近いです。
