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映画「キツツキと雨」―人生に迷ったら観たい、心温まる世代間ドラマ

hibikinokami
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忙しい毎日のなかで、「このままでいいのかな?」と迷ったり、心が疲れてしまうことはありませんか?そんな時に観てほしい映画が『キツツキと雨』です。昭和と平成という異なる世代が静かに交差し、人と人との温かな交流を描いた本作は、観終わったあとに心に優しい余韻を残します。

作品概要

項目詳細
公開年2012年
監督・脚本沖田修一、守屋文雄
主な出演役所広司、小栗旬、山﨑努、伊武雅刀、古舘寛治
監督代表作『南極料理人』『横道世之介』
主演代表作役所広司『Shall we ダンス?』『うなぎ』、小栗旬『銀魂』『クローズZERO』
受賞歴東京国際映画祭 審査員特別賞

タイトルの『キツツキと雨』は一見不思議ですが、実は深い意味があります。キツツキは黙々と打ち込む昭和世代、雨は繊細で不安定な平成世代を象徴しています。これを知ると、映画の深さがさらに感じられます。

また、この映画のリアルな撮影現場の描写は、実際に沖田修一監督が映画制作で感じた苦労や葛藤が反映されています。特に、小栗旬さんが演じる若い監督の不安げな姿は、観客にリアルな共感を呼びます。

そして東京国際映画祭の審査員特別賞を受賞するなど、国内外で高評価を得ました。観る人を温かな気持ちにさせ、人間関係の大切さを再確認させてくれる作品です。

昭和と平成、二つの世代が交わる魅力

舞台は静かな山村。山林伐採の仕事をする克彦(役所広司)は、妻を亡くし、息子とも距離を感じながら日々を過ごしています。ある日、村にゾンビ映画の撮影隊が訪れ、監督の幸一(小栗旬)は自信がなく、撮影に悩んでいました。偶然撮影を手伝うことになった克彦は、次第に幸一やスタッフたちとの交流を深めていきます。

本作の最大の魅力は、世代を超えた心の交流にあります。昭和の価値観を持つ克彦と平成を生きる幸一は、映画作りを通じて徐々に互いを理解し合います。

昭和は黙々と役割を果たすことが美徳とされた時代。一方、平成は自分らしさを追求する時代。この二つの異なる背景が、二人の主人公を通して絶妙に描かれています。

最初はすぐに怒鳴ってしまう克彦と何事にも消極的な幸一の姿にストレスを感じるかもしれません。しかし、この二人が不器用に交わっていく様子は、親戚のおじさんと甥っ子が繰り広げるコミカルなやり取りのようでもあります。中盤では歯車が噛み合わず困難に直面しますが、少しの勇気を持って踏み出したことで状況が良い方向へと一気に進む爽快感があります。

日常に疲れたり、自分自身に迷ったりしたとき、この映画を観ればきっと温かな何かを取り戻せるはずです。

監督・沖田修一の人物像とフィルモグラフィ

1977年生まれの沖田修一監督は、日常の中に潜む可笑しみと温かな人間賛歌をすくい上げる語り口で知られます。大学在学中から8mm映画を撮り始め、ゆるやかなテンポとユーモラスな間合いで頭角を現しました。商業長編デビューは2009年の『南極料理人』。極限環境下でもこぼれ落ちる“普通”の営みをユーモアで包み込み、国内外の映画祭で高評価を獲得します。

以降、沖田作品は一貫して“等身大の人間”を描写。『横道世之介』(2013)は「何気ない善意」の連鎖を爽やかに映し出し、第37回日本アカデミー賞優秀作品賞ほか多数の賞に輝きました。『モヒカン故郷に帰る』(2016)では家族×パンクロック、『おらおらでひとりいぐも』(2020)では東北弁の“ひとり暮らし古希女子”と題材は多彩ながら、ユーモアとペーソスを両立させる手腕は揺るぎません。

沖田監督の現場は「俳優の呼吸を最優先する」ことで有名です。脚本段階で台詞をそぎ落とし、撮影では芝居を“観察”するようにカメラを据えるため、自然な間と表情がワンカットごとに息づきます。本作『キツツキと雨』でも、役所広司と小栗旬が思わず笑ってしまうアドリブを採用するなど、俳優の自由度を尊重した演出が作品の温度を決定づけています。

主な受賞歴には、ブルーリボン賞監督賞(『横道世之介』)、東京国際映画祭審査員特別賞(本作)ほか、国内外の批評家賞が並びますが、沖田本人は「賞よりも、観客が上映後にほっと笑って帰ってくれたら十分」と語ります。そのスタンスが示す通り、彼のフィルモグラフィは“笑いと沁みる余韻”の絶妙なバランスで貫かれているのです。

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Hibiki
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はじめまして、ひびきです。 映画・ドラマ1000本以上、ガジェットを8年以上集めてきました。サブスク、映画、PCガジェットなど、日常をちょっと豊かにする情報を発信しています。 平日の空いた時間にリフレッシュ。 疲れ切った休日には自分の好きなエンタメでダラダラと過ごそうではないですか。 どうぞよろしくお願いいたします。
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