2PC配信のやり方|配線図とOBS設定、音が出ない・音ズレの直し方まで
2PC配信のやり方|配線図とOBS設定、音が出ない・音ズレの直し方まで
ゲームPC1台で配信すると、どこかが必ず犠牲になります。
フレームレートが落ちるか、配信がカクつくか、そのどちらかです。
2PC配信は、その負荷を2台に分けて解決する方法です。
この記事では、配線図・OBS設定・トラブル対処の3つを、順番どおりにまとめました。
機械が得意でなくても大丈夫です。やることは決まっているので、上から順に進めれば動きます。
今すでにトラブル中の方へ
設定の途中で詰まってこの記事に来た方は、こちらから該当箇所へ飛んでください。
- 配信PCにゲームの音が来ない → 「トラブル①」へ
- マイクが二重に聞こえる → 「トラブル②」へ
- 画面が横に割れる → 「トラブル③」へ
- 映像と声がズレる → 「トラブル④」へ
- 配信中にカクつき始める → 「トラブル⑤」へ
- 昨日まで映っていたのに急に真っ暗 → 「トラブル⑥」へ
これから組む方は、このまま読み進めてください。
まず全体像:信号がどう流れているか

2PC配信でつまずく原因のほとんどは、どの線が何を運んでいるか分かっていないことです。
先に流れだけ押さえてしまいましょう。
映像と音の流れはこうです。
ゲームPC から HDMI で映像と音を出します。
それをキャプチャーボードが受け取ります。
キャプチャーボードから USB で配信PCへ送ります。
配信PCのOBSがそれを受け取って、YouTubeやTwitchへ流します。
そしてもう1本、別の線があります。
キャプチャーボードの HDMI 出力から、ゲーム用モニターへ映像を返す線です。
これが「パススルー」です。あなたがプレイ中に見ている画面はこちらです。
マイクは、配信PCに直接挿します。
理由は後述しますが、ここを間違えると音のトラブルがまとめて発生します。

あの……つまり、私が見ている画面と、視聴者さんが見ている画面は、別の経路で届いているということでしょうか……。

まさにその通りです。とても大事なポイントを掴まれましたね。
あなたが見ているのはパススルーの映像で、こちらは高いリフレッシュレートを維持できます。
一方、視聴者に届くのはキャプチャーされた映像で、こちらは多くの場合60fpsが上限です。
この2つを混同すると、「240Hzで映しているのに配信が60fpsなのはおかしい」と悩むことになります。
別々の経路だと理解しておけば、迷わずに済みますよ。
パススルーとキャプチャは、まったく別物です
ここを誤解している人がとても多いので、先に整理しておきます。
パススルー(あなたが見る映像)
キャプチャーボードを素通りして、そのままモニターへ届きます。
だから遅延がほぼなく、4K60Hzや高リフレッシュレートも維持できます。
FPSをプレイするときに見るのは、必ずこちら側です。
キャプチャ(視聴者が見る映像)
USBを通って配信PCへ送られる映像です。
こちらは製品ごとに上限があり、多くの機種で1080p/60fpsが実用ラインになります。
つまり、手元は240Hzのぬるぬる、配信は60fpsという状態が正常です。
これは故障でも設定ミスでもありません。

必要な機材

ゲーム用PC
普段どおり、ゲームが快適に動く構成であれば問題ありません。
2PC配信の利点は、このPCから配信の負荷を完全に外せることです。
エンコードのためにゲーム設定を下げる必要がなくなります。
配信用PC
こちらはエンコード(映像の圧縮)を担当します。
ゲームほどのGPU性能は要りませんが、CPUとメモリには余裕を持たせてください。
古いノートPCを流用する場合、1080p/60fpsの配信で処理が追いつかないことがあります。
その場合はビットレートや解像度を下げるか、GPUのハードウェアエンコーダ(NVENCなど)が使える機種を選んでください。
キャプチャーボード
ゲームPCの映像と音を、配信PCへ渡す橋渡し役です。
内蔵型もありますが、初めてならUSB接続の外付けタイプを選んでください。
配線を差し替えるだけで済むので、トラブル時の切り分けが圧倒的に楽になります。
LANケーブル(見落としがちです)
配信は必ず有線で行ってください。
Wi-Fiは、ここぞという場面で不安定になります。
ケーブルはCAT6A以上を選べば十分です。数百円の差で安心が買えます。
【重要】マイクはどちらのPCに挿すか
2PC配信で最も迷うのがここです。
結論から言うと、マイクは配信用PCに直接挿してください。
理由は3つあります。
1. エコーが原理的に発生しなくなります。
両方のPCでマイクを拾おうとすると、声が二重になります。片方に集約すれば起きません。
2. 音量調整が1箇所で済みます。
配信PCのOBSだけで完結するので、調整のたびに席を移動する必要がありません。
3. ゲームPCの負荷をさらに減らせます。
ノイズ抑制やコンプレッサーといったフィルターの処理を、配信PC側に寄せられます。
ただし1点だけ注意があります。
マイクを配信PCに挿すと、ゲーム内のボイスチャットで自分の声が使えなくなります。
ボイスチャットをしながら配信したい場合は、オーディオインターフェースやミキサーで音を分岐させる必要があります。
ソロ配信が中心なら、配信PCに直挿しがいちばん簡単です。

あの、順番としては、マイクの接続は先にやってしまったほうがいいのでしょうか。
途中で変更すると、設定をやり直すことになりそうで……。

ひびの助さんのご心配はもっともです。マイクは最初に決めてしまってください。
後から挿し替えると、音声モニタリングの設定と同期オフセットの調整を、両方やり直すことになります。
先に配信PCへ挿しておけば、以降の設定はすべてその前提で進められます。
順番を守るだけで、余計な手戻りが防げますよ。
キャプチャーボードのおすすめ2機種
AVerMedia LIVE GAMER EXTREME 3(GC551G2)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 接続 | USB 3.2(Type-C) |
| パススルー | 4K60Hz、VRR・HDR対応 |
| 録画・キャプチャ | 4K30fps / 1080p60fps |
| ドライバー | 不要(UVC対応、挿すだけ) |
| 対応OS | Windows 10/11、macOS |
まず、ドライバーが要らないのが大きいです。
USBに挿した時点でOBSがデバイスとして認識するので、初回のつまずきが起きません。
VRRパススルーに対応しているので、可変リフレッシュレートを使うFPSプレイヤーとも相性がいい。
遅延も、レビューでは0.06〜0.07秒程度と報告されています。
正直、この数値なら手元のモニターを見ずにOBSの画面だけでプレイしても、そこまで違和感はないです。
なお、細かい解像度とリフレッシュレートの組み合わせは公式サイトに一覧があるので、高リフレッシュ環境の方は購入前に確認してください。
UGREEN キャプチャーボード

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 接続 | USB 3.0(Type-C + Type-A) |
| パススルー | 4K60Hz(HDR非対応) |
| 録画・キャプチャ | 1080p60fps |
| 音声端子 | 3.5mm ライン出力/マイク入力 |
| 保証 | 24ヶ月 |
価格を考えると、性能はかなり健闘しています。
1080p/60fpsで配信するぶんには、必要な機能はひととおり揃っています。
耐久性を心配する声もありますが、公式ストアなら24ヶ月保証が付くので、初めての1台としては十分に選択肢に入ります。
選び方の目安です。
4Kや高リフレッシュ環境でプレイしていて、今後も長く使うなら GC551G2。
まず1080pで配信を始めてみたい、初期費用を抑えたいなら UGREEN。
接続手順
順番どおりに進めてください。
1. ゲームPCのHDMI出力を、キャプチャーボードのHDMI入力へ挿します。
2. キャプチャーボードのHDMI出力を、ゲーム用モニターへ挿します。
これがパススルーです。プレイ中の画面はここに映ります。
3. キャプチャーボードとの接続用USBケーブルを、配信PCへ挿します。
4. マイクを配信PCに挿します。
5. 両方のPCに有線LANを接続します。
6. ゲームPCのディスプレイ設定を「拡張」にします。
「複製」だと正常に動作しないことがあります。必ず拡張を選んでください。
OBSの設定
ゲームPC側のOBS
ソースの「+」から「画面キャプチャ」を追加して、ゲーム画面をOBSに映します。
プレビュー画面上で右クリックし、「全画面プロジェクター(プレビュー)」を選択します。
出力先には、キャプチャーボードを指定してください。モニターの1つとして表示されます。
次に音声です。
音声ミキサーの歯車から「オーディオの詳細プロパティ」を開きます。
デスクトップ音声の「音声モニタリング」を「モニターと出力」に変更します。
そして「設定 → 音声 → モニタリングデバイス」で、キャプチャーボードを選びます。
これでゲーム音がHDMIに乗って配信PCへ届きます。
配信PC側のOBS
ソースの「+」から「映像キャプチャデバイス」を追加します。
デバイス一覧から、接続したキャプチャーボードを選択してください。
ゲーム映像が映り、音声ミキサーのバーが動いていれば成功です。
あとはマイクを「音声入力キャプチャ」で追加し、配信先のプラットフォームに接続すれば完了です。
ビットレートは、1080p/60fpsなら6000kbps前後が目安になります。

設定項目が多いな。どこまで進んだか分からなくなったら、どうすればいい?

デイビットさんのように手早く進めたい場合こそ、確認は2箇所だけに絞ってください。
ひとつは、配信PCのOBSにゲーム映像が映っているかどうか。
もうひとつは、その下の音声ミキサーのバーが動いているかどうか。
この2つが揃っていれば、映像と音の経路は完成しています。
あとはマイクと配信先の設定だけなので、迷ったらこの2点に戻ってきてください。
よくある6つのトラブルと直し方
ここからが本題です。2PC配信は、ほぼ確実にどこかで詰まります。
トラブル① 配信PCにゲームの音が来ない
症状:映像は映っているのに、音声ミキサーがまったく動かない。
原因の多くは、音声出力モードの設定漏れです。
配信PCのOBSで「映像キャプチャデバイス」をダブルクリックし、下までスクロールしてください。
「音声出力モード」を「デスクトップ音声出力(WaveOut)」に変更します。
それでも直らない場合は、「カスタム音声デバイスを使用する」にチェックを入れ、キャプチャーボードを選択してください。
それでもダメなら、ゲームPC側を疑ってください。
ゲームPCのOBSで、モニタリングデバイスがキャプチャーボードになっているか確認します。
ここが既定のスピーカーのままだと、音はHDMIに乗りません。
トラブル② マイクが二重に聞こえる
症状:声がやまびこのように反響する。
原因は、両方のPCでマイクを拾っていることです。
前述のとおり、マイクは配信PCだけで拾ってください。
ゲームPCのOBSでマイクを追加している場合は、そのソースを削除します。
削除できない事情がある場合は、そのマイクの「音声モニタリング」を「モニターオフ」にしてください。
トラブル③ ゲーム画面が横に割れる(ティアリング)
症状:視点を素早く動かしたとき、画面の途中で映像がずれる。
原因は、映像の描画とモニターの更新タイミングが合っていないことです。
対処は次の順で試してください。
まず、ゲーム側で V-Sync(垂直同期)を有効にします。これが最も直接的な対処です。
VRR対応の環境なら、G-SYNC や FreeSync を有効にするほうが、遅延を増やさずに解決できます。
そのうえで、ゲームPCのディスプレイ設定が「拡張」になっているかを確認してください。
「複製」だと、接続機器のうち低いほうのリフレッシュレートに引きずられることがあります。
トラブル④ 映像と自分の声がズレる
症状:叫んでから1秒ほど遅れて、画面内で爆発が起きる。
原因は、映像だけがキャプチャーボードを経由しているためです。
マイクの音は配信PCへ直接届くので、映像より先に到着します。
配信PCのOBSで、音声ミキサーの歯車から「オーディオの詳細プロパティ」を開きます。
マイクの「同期オフセット」に 200〜500msを入力してください。
テスト録画をしながら、口の動きと映像が合う数値を探します。
一度合わせれば、以降は触る必要がありません。
トラブル⑤ 配信中にカクつき始める
症状:開始直後は問題ないのに、時間が経つと重くなる。
熱が原因のことが多いです。
PCを2台フル稼働させると、部屋の温度は想像以上に上がります。
排気口の周りにモノを置かない。壁から少し離す。
エアダスターでファンのホコリを定期的に落とす。
そして、夏場はエアコンをケチらないこと。これが一番効きます。
熱でなければ、配信PCのエンコード設定を見直してください。
CPUエンコード(x264)を使っている場合は、GPUのハードウェアエンコーダに切り替えると負荷が大きく下がります。
トラブル⑥ 昨日まで映っていたのに、急に真っ暗
症状:設定を変えていないのに、OBSの画面が黒いまま。
OSやドライバーの更新後に起きやすい症状です。
まずPCを再起動してください。シャットダウンではなく再起動です。
次に、USBとHDMIのケーブルを一度抜いて、別のポートに挿し直します。
USBハブを経由している場合は、PC本体のポートに直接挿してください。
謎の不具合の大半は、この2つで直ります。設定をいじるのは、それからで十分です。


えー、再起動で直っちゃうんですか?
なんだか、拍子抜けしちゃいますね。

くるみさんの感想はもっともですが、これは案外あなどれない対処なんです。
機器の認識情報は起動時に読み込まれるので、更新のタイミングでずれると、再起動しない限り元に戻りません。
焦って設定を変えてしまうと、本来正しかった設定まで崩れてしまいます。
原因が分からないときほど、まず再起動。この順番を守るのがいちばんの近道ですよ。
よくある質問
Q. 配信用PCはノートPCでも大丈夫ですか。
1080p/60fpsであれば、比較的新しい機種なら動きます。
ただしUSBポートの規格には注意してください。USB 2.0では帯域が足りません。
Q. 配信が60fpsまでなら、2PCにする意味はありますか。
あります。ゲームPCが配信の負荷から解放されるので、プレイ中のフレームレートが安定します。
視聴者に届く映像が60fpsでも、その60fpsが安定して届くこと自体が大きな違いです。
Q. キャプチャーボードなしで2PC配信はできますか。
NDIという方法でLAN経由で映像を送ることもできます。
ただし遅延と安定性の面で、キャプチャーボード経由のほうが確実です。
まとめ

2PC配信で押さえるべきことは、実はそれほど多くありません。
信号の流れを理解すること。
マイクは配信PCに挿すこと。
パススルーとキャプチャは別物だと知っておくこと。
この3つが分かっていれば、トラブルが起きても原因の見当がつきます。
設定は一度きりです。組んでしまえば、あとは電源を入れるだけで配信が始まります。
うまくいかない箇所があれば、上のトラブル一覧に戻ってきてください。
