賃貸で声出し配信したい人へ|DIY防音を2年間使って実測してみた
深夜のゲーミング部屋。
FPSで倒された瞬間、「うわっ!」と声が出る。
アクションゲームで思わず、
「マジかよ!」
と叫んでしまう。
配信をしていると、こういう瞬間ってありますよね。
でも、賃貸で声出し配信をしていると、そのあとにふと我に返ります。
「今の声、大丈夫だったかな……」
「隣に聞こえてないかな……」
「苦情が来たらどうしよう……」
私も配信を始めた頃、この問題にかなり悩みました。
そこで実際にDIYで防音対策をして、遮音シートを2枚重ねにした環境で2年間、声出し配信を続けています。
そして今回、スマホの騒音計アプリを使って、実際にどれくらい音の違いがあるのかも測ってみました。
結果は、
室内:約74dB
ドアを閉めた外側:約36dB
でした。
さらに、PCを起動して扇風機を回した状態の環境音は、
室内:約41dB
ドアを閉めた外側:約31dB
でした。
もちろん、スマートフォンによる簡易測定なので、防音性能を専門機器で測定したデータではありません。
それでも、同じ環境で室内とドアの外を比較することで、どの程度音が小さくなっているのかを見る材料にはなります。
この記事では、私が2年間使ってきたDIY防音について、
実際の体感と測定結果の両方
をもとに紹介します。
「賃貸だから声出し配信は無理」
と諦めている人や、
「防音したいけど、何から始めればいいか分からない」
という人に向けた記事です。
結論|「完全防音」ではなく、音漏れを少しずつ減らす
最初に結論です。
DIYで部屋を完全な無音にするのは無理です。
ここは最初から正直に言っておきます。
ただ、私の場合は遮音対策をしてから、
「部屋の中と外で、音の聞こえ方がかなり違う」
と感じるようになりました。
さらに今回の簡易測定では、
室内:約74dB
ドア外:約36dB
という結果でした。
そして、PCと扇風機を動かした状態で声を出していないときは、
室内:約41dB
ドア外:約31dB
でした。
声を出したときの外側の測定値は、無音時から約5dB上昇しています。
もちろん、この数字だけで「防音性能が38dBある」とは言えません。
部屋の広さ、ドア、壁、距離、外の環境音など、いろいろな条件が含まれているからです。
ただ、
「自分の部屋では、これくらいの差が出た」
という実測値としては、今回の記事で一番伝えたい部分です。
実測してみた|室内74dBがドアの外では36dBに
ここからは、実際に測ってみた結果です。
スマートフォンの騒音計アプリを使って、室内とドアの外を測定しました。
声を出した状態
| 測定場所 | 測定値 |
|---|---|
| 部屋の中 | 約74dB |
| ドアを閉めた外側 | 約36dB |
室内で約71dBになった状態で、ドアを閉めて外側を測ると約36dBでした。
数字だけを見ると、
74dB → 36dB
なので、表示上の差は約38dBあります。
ただし、これは「防音施工によって38dB遮音できた」という意味ではありません。
スマホアプリによる簡易測定であり、ドアを挟んだ室内外の比較値だからです。
そのため、この記事では防音性能の測定値ではなく、
「私の部屋で、この条件で測った比較結果」
として紹介します。


無音時も測ってみた|40dB → 31dB
さらに面白かったのが、声を出していないときの測定です。
PCを起動し、扇風機を回した状態で測ってみました。
結果は、
| 測定場所 | 測定値 |
|---|---|
| 部屋の中 | 約41dB |
| ドアを閉めた外側 | 約31dB |
でした。
つまり、部屋の外にはもともと約31dB程度の環境音があります。
そこへ室内で声を出すと、
31dB → 36dB
になりました。
今回の測定では、声を出したときの外側の上昇は約5dBです。
もちろん、スマートフォンの騒音計アプリは専用の測定機器ではありません。
周囲の環境音やスマホのマイク性能、測定する場所によって数値も変わります。
なので、
「74dBの声が36dBになる防音性能」
と考えるのではなく、
「同じ部屋で測定したところ、室内とドア外でこれだけの差が確認できた」
と考えてください。
私はこの数字を見て、
「少なくとも、何もしていない部屋より音が外へ漏れにくくなっているのは確認できるな」
と感じました。


そもそも賃貸の声出し配信は、何が問題なのか
防音対策をする前に、「音がどうやって漏れるのか」を考える必要があります。
声が部屋の外へ漏れる経路は、壁だけではありません。
例えば、
- 壁
- ドア
- 窓
- 床
- 天井
- 壁と壁の隙間
などがあります。
つまり、
壁だけを厚くすれば全て解決するわけではありません。
特に賃貸では、窓やドアまで大がかりに施工するのは難しいです。
だから私は、
「全部を完璧に防音する」のではなく、できるところから音を減らす
という考え方にしました。
遮音と吸音は別物
DIY防音で最初に知っておきたいのが、
遮音と吸音は違う
ということです。
遮音
音が壁を通り抜けるのを抑えること。
今回のDIYで特に重視した部分です。
吸音
部屋の中で音が反射するのを抑えること。
「声が響く」「マイク音が反響する」といった問題はこちらが関係します。
つまり、
外への音漏れ対策 → 遮音
部屋の響き対策 → 吸音
というイメージです。
この2つをごちゃ混ぜにすると、
「吸音材を大量に貼ったのに、隣の部屋に声が聞こえる」
ということも起こります。
遮音シート2枚重ねを2年間使ってみた
ここが私の実体験です。
私は遮音シートを1枚ではなく、2枚重ねにして使っています。
遮音シートはかなり重いです。
最初に持ったとき、
「これ、壁に貼るの……?」
と思うくらい重かった。
でも、こうした重量のある材料を使って壁の遮音性を高めるという考え方は、DIY防音では重要です。
私が2枚重ねにして感じた一番大きな変化は、
部屋の外へ出たときの音の聞こえ方
でした。
部屋の中では普通に聞こえるのに、ドアを閉めて外へ出ると、
「思ったより聞こえないな」
という感覚があります。
今回の測定でも、
室内74dB → ドア外36dB
という結果になりました。
専門的な遮音試験ではありません。
それでも、2年間使ってきた環境を実際に数字でも確認できたのは、自分にとって大きな発見でした。

遮音シートだけで全部解決しなかった
ここも大事です。
最初は、
「壁を厚くすれば、防音は終わり」
だと思っていました。
でも、実際に配信してみると、それだけではありません。
防音対策をすると、部屋の中で声が反響することがあります。
すると、自分の声が聞き取りにくくなったり、マイクが部屋の反響音を拾ったりします。
そこで吸音材も使いました。
吸音ウレタンを追加
吸音ウレタンフォームを壁に配置することで、部屋の中の反響を抑えやすくなりました。
これは「隣への音漏れを止める」というより、
「部屋の中で声を響かせない」
ための対策です。
配信の音質を考えるなら、遮音だけでなく吸音も意識しておくといいと思います。

防音だけに頼らない|マイクを近づける
そして、私が実際に配信していてかなり重要だと感じたのが、マイク側の対策です。
考え方はシンプル。
「壁から漏れる声を減らす」
だけではなく、
「そもそも大声を出さなくてもマイクが拾えるようにする」
です。
私はShure BETA 58A-Jを使っています。

BETA 58Aは口元に近づけて使いやすいダイナミックマイクなので、配信ではかなり相性が良いと感じています。
私の場合、マイクを口元へ近づけることで、普通の声量でも声がしっかり入るようになりました。
これなら、
「マイクが遠いから声を張る」
という必要がありません。
つまり、
防音で外に漏れる音を減らす
+
マイクを近づけて、自分の声量そのものを下げる
という2方向から対策できます。
これは賃貸配信ではかなり重要だと思っています。

ノイズゲートとノイズ抑制も使う
マイクを近づけたら、さらに配信ソフト側でも調整します。
私が使っているのが、
ノイズゲート
ノイズ抑制
です。
ノイズゲート
話していないときに、一定以下の音量をカットする機能です。
キーボード音や小さな環境音がずっと入り続けるのを抑えやすくなります。
ノイズ抑制
エアコンやPCファンなど、一定の環境音を軽減するために使います。
ただし、強くかければいいわけではありません。
設定を強くしすぎると、声まで不自然になることがあります。
そのため、
設定 → 録音 → 聞き直す
を繰り返して調整するのがおすすめです。
賃貸で壁に直接貼るときは要注意
ここは、私自身が実際にやった方法と、これからやる人におすすめする方法を分けて考えたほうがいいと思っています。
私は実際に壁へタッカーを使って遮音シートを固定しました。

ただし、
これは賃貸なら誰にでもおすすめできる方法ではありません。
壁に穴が開くため、退去時の原状回復で問題になる可能性があります。
「自分が大丈夫だったから、みんなも大丈夫」
ではありません。
賃貸契約の内容を確認し、必要であれば管理会社や大家さんへ確認してください。
壁を傷つけたくないなら「自立壁」という方法もある
そこで候補になるのが、
2×4材+突っ張り式パーツ
を使って、元の壁の前に自立する壁を作る方法です。
イメージとしては、
元の壁
↓
空気層
↓
自作した防音壁
という形。
元の壁へ直接シートを貼らなくて済むので、賃貸では検討しやすい方法です。
ただし、
「突っ張るだけだから絶対に安全」
というわけではありません。
天井や床への圧力、木材の重量、防音材の重量、設置方法によっては、傷や跡が残る可能性があります。
また、倒れた場合は別の事故につながります。
施工するなら、
製品の耐荷重を確認する
設置面の状態を確認する
無理な荷重をかけない
この3点は必ず守ってください。
DIY防音で意外と重要だった「湿気」
防音対策をして2年使っていて、意外と気になったのが湿気です。
壁の前に材料を重ねると、
「この裏に湿気がこもらないかな?」
と思いますよね。
私の場合、2年間使ってカビの問題はありませんでした。
ただし、
「換気だけでどの部屋でも大丈夫」
という意味ではありません。
これは私の環境で問題が起きなかったという話です。
私が普段やっているのは、
- 家具を壁にベタ付けしない
- ときどき換気する
- 温湿度計で確認する
- 湿度が高い日は除湿する
という程度です。
特にゲーミングPCを長時間動かしていると、部屋はかなり暑くなります。
さらに人間もいます。
閉め切った部屋でPCを動かして配信していると、想像以上に室温が上がります。
防音だけでなく、換気と温湿度管理もセットで考えたほうが安心です。
防音してから、部屋の見た目も変わった
これは完全に副産物です。
吸音ウレタンフォームにLEDの光を当てると、凹凸に陰影ができて、意外とゲーミング部屋っぽくなります。
防音のために始めたDIYなのに、
「なんか前より部屋がカッコよくなってる」
という嬉しい誤算でした。

2年間使って分かった「やってよかったこと」
ここまでを、私の体験として整理すると、
① 遮音シートを2枚重ねにした
1枚より2枚のほうが、私の環境では体感的な違いを感じました。
② マイクを口元に近づけた
大きな声を出さなくても声が入るようにしました。
③ ノイズゲートとノイズ抑制を使った
話していないときの不要な音を抑えました。
④ 吸音材を追加した
部屋の反響を減らして、配信音を調整しやすくしました。
⑤ 湿気を放置しなかった
換気、除湿、温湿度計を使って管理しました。
これらを組み合わせた結果、私の場合は2年間、声出し配信を続けても近隣から苦情を受けることなく使えています。
ただし、これはあくまで私の住環境での結果です。
建物の構造や隣室との距離、声量、配信時間などによって結果は変わります。
逆に「やらなかったほうがよかったこと」
防音を調べていると、
「これも必要」
「あれも必要」
と、どんどん材料が増えていきます。
でも、最初から全部やる必要はありませんでした。
私ならまず、
音が一番漏れていそうな場所
から対策します。
そして、
マイクを近づける
声量を少し下げる
という、今すぐできることから始めます。
いきなり部屋全体を防音仕様にするより、そのほうが失敗しにくいです。
よくある質問
Q1. 遮音シート2枚重ねなら完全防音になりますか?
なりません。
今回の測定では、室内約71dB、ドア外約36dBでした。
ただし、スマホアプリによる簡易測定なので、専門的な防音性能として35dB低下したとは判断できません。
「私の部屋で、この条件ではこういう数字になった」
という比較データとして参考にしてください。
Q2. 吸音ウレタンだけで声漏れは防げますか?
吸音材の主な役割は、室内の反響を抑えることです。
隣室への音漏れを減らしたいなら、遮音も考える必要があります。
「吸音=防音」と考えないことが大切です。
Q3. 賃貸の壁にタッカーで貼って大丈夫?
物件によります。
私は実際にやりましたが、他の人にそのままおすすめできる方法ではありません。
契約内容や管理会社・大家さんのルールを確認してください。
Q4. ラブリコなどで自立壁を作れば完全に安全?
完全とは言えません。
重量、防音材、床や天井の状態、締め付け具合などによって、傷や事故の可能性があります。
製品の説明書や耐荷重を必ず確認してください。
Q5. 防音したら深夜でも大声で叫んでいい?
もちろん違います。
DIY防音には限界があります。
防音したからといって、
「深夜でも叫び放題」
にはなりません。
むしろ、
「マイクを近づけて、普段より小さな声でも配信できるようにする」
と考えたほうが安全です。
2年間使ってみて、一番大きかったのは「安心感」
DIY防音を始めた頃は、
「これ、本当に効果あるのかな?」
と思っていました。
遮音シートは重い。
貼るのも大変。
部屋は狭くなる。
正直、途中で何度も心が折れそうになりました。
でも完成してから配信してみると、
「前よりは外に聞こえていないはず」
という安心感が出てきました。
そして今回、実際に測ってみると、
室内:約74dB
ドア外:約36dB
でした。
さらに無音時は、
室内:約41dB
ドア外:約31dB
です。
この結果を見て、
「少なくとも自分の部屋では、室内と外でかなり音の大きさが変わっている」
と確認できました。
専門機器による防音試験ではありません。
でも、2年間の体感だけではなく、実際に数字でも確認できたことは、自分にとってかなり大きな収穫でした。
賃貸でも声出し配信はできる。ただし「完全防音」を目指さない
私が2年間DIY防音を続けてきて、一番伝えたいのは、
「音をゼロにする必要はない」
ということです。
まずは、
遮音する
部屋の反響を減らす
マイクを近づける
声量を下げる
この4つを組み合わせる。
それだけでも、かなり環境は変わります。
そして今回の測定では、
室内74dB → ドア外36dB
という結果になりました。
さらに、PCと扇風機を動かした無音時は、
室内41dB → ドア外31dB
でした。
何度も書きますが、これはスマホアプリによる簡易測定です。
それでも、実際に2年間使っている部屋を、自分で測ってみた数字として記事に残しておく価値はあると思っています。
「賃貸だから声出し配信は無理」
と諦める前に、
まずは今の部屋で、どこから音が漏れているのかを確認してみてください。
壁かもしれません。
ドアかもしれません。
窓かもしれません。
そして、マイクの位置かもしれません。
防音は、一気に全部を完璧にする必要はありません。
漏れる音を一つずつ減らしていく。
それが、私が2年間やってきて一番現実的だった方法です。
ゲームで思わず声が出たときに、
「今の声、大丈夫かな……」
と毎回ビクビクするより、
「できる対策はしてある」
と思えるほうが、配信そのものを楽しめます。
賃貸で声出し配信をしたい人にとって、この記事がその最初の一歩になれば嬉しいです。
